循環器内科
当院では、高血圧の治療や動脈硬化の予防に力を入れています。循環器の病気を見逃さないよう、心電図や血管年齢測定、エコー検査などの機器を備え、症状に応じた診療で多方面から原因を探ります。
このような症状はありませんか
- 心拍数が高くなる
- 脈が乱れる
- 足が腫れている
- 胸の圧迫感がある
- 階段を上る際に息切れする
- 息を吸うと胸が痛い
代表的な疾患例
- 高血圧
- 心臓弁膜症
- 不整脈
- 大動脈瘤
- 虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)
- 慢性腎臓病
- 下肢閉塞性動脈硬化症
- 下肢静脈瘤
- 心不全
- 深部静脈血栓症
高血圧
当院では、高血圧の治療において、食事療法と薬物療法を中心に進めています。薬の使用をなるべく抑えるためにも、食事療法をしっかり続けることが大切です。具体的には、塩分摂取量を制限し、体重管理についてもアドバイスを行います。治療のポイントは、自宅での定期的な血圧測定と記録です。血圧管理手帳もご用意しており、自由にお持ち帰りいただけます。
予防から治療後のケアまで、不安を減らせるよう取り組んでいます。
症状
初期の高血圧は自覚症状がほとんどありませんが、血圧が高い状態が続くと、頭痛・めまい・動悸・息切れ・疲れやすさ・耳鳴り・視力のぼやけなどの症状が現れることがあります。これらは脳卒中や心筋梗塞などのリスクが高まっているサインですが、よくある症状として放置してしまうと、動脈硬化や腎機能障害、視力障害などの深刻な影響を引き起こす可能性があります。早期発見と適切な管理を受けるために、定期的な健康診断と医師への相談が重要です。
原因
高血圧の原因には、生活習慣や遺伝的要因が関与しています。食生活の乱れ、塩分過多や脂肪分の多い食事、運動不足、飲酒や喫煙、ストレス、肥満がリスクを高めます。加齢により血管が硬くなることも影響します。
また、家族に高血圧の人が多いと、遺伝的な影響で発症しやすくなります。これらの要因が重なり、血圧が上昇することがあります。
治療
高血圧の治療は、生活習慣の改善と薬物療法が基本です。食事では減塩を心がけ、バランスの取れた食事が重要です。運動や体重管理、ストレス軽減も血圧を下げるために有効です。
薬物療法では、利尿薬やACE阻害薬、カルシウム拮抗薬などが使われ、患者さまの状態に合わせて処方されます。定期的な血圧測定と医師の指導のもと、治療を続けることが大切です。
狭心症・不整脈
狭心症は、冠動脈が狭くなったり詰まったりすることで、心臓の筋肉に酸素が十分に供給されなくなる病気です。これにより胸痛・息切れ・動悸が現れ、特に身体的な負荷で症状が強くなります。進行すると心筋梗塞を引き起こすこともあります。
不整脈は心臓の拍動が正常なリズムから外れ、速すぎたり遅すぎたり不規則になった状態です。動悸・息切れ・めまいや失神を引き起こし、重症の場合には治療が必要です。
症状
狭心症は胸痛や圧迫感が特徴で、運動やストレス、食後に悪化し、安静時に改善します。息切れや動悸、疲れやすさを伴うこともあります。症状は数分間続き、進行すると心筋梗塞につながる可能性があります。
不整脈は動悸や不規則な心拍を感じ、心拍の異常で息切れやめまい、失神、胸の不快感が現れます。重度の場合、突然の意識喪失や心停止のリスクがあるため、早期の診断と治療が重要です。
原因
狭心症の主な原因は、冠動脈の動脈硬化による狭窄や閉塞です。動脈硬化は血管内に脂肪やコレステロールが蓄積し、血流が制限されることで心臓の筋肉への酸素供給が不足し、胸痛や息切れを引き起こします。
不整脈は心臓の電気的異常が原因で、心拍が速くなったり遅くなったり、不規則になります。高血圧や心筋梗塞、ストレス、カフェインやアルコールの摂取などが原因となります。
治療
狭心症の治療は、生活習慣の改善、薬物療法、手術が中心です。薬物療法では、血管拡張薬や抗血小板薬、降圧薬を使用し、症状緩和と予防を行います。進行すると、冠動脈バイパス手術や冠動脈形成術が必要になることもあります。生活習慣の改善には、禁煙や運動、食事の見直しが重要です。
不整脈の治療では、薬物療法やカテーテルアブレーションが行われ、症状のコントロールを図ります。カテーテルアブレーションは、異常な電気信号を治療する方法で、重度の不整脈に有効です。
心不全・心筋梗塞
心不全は、心臓が十分な血液を全身に送れなくなる状態で、心筋の弱化や硬化が原因です。慢性化すると生活の質が低下します。
心筋梗塞は冠動脈の詰まりにより、心筋が酸素不足となり壊死します。
当院では、これらの症状の予防に力を入れており、各種検査機器を備えています。気になる症状があれば、一度受診してください。
症状
心不全の症状には息切れ、動悸、足のむくみ、倦怠感、夜間の呼吸困難などがあります。これらは心臓が血液を十分に送り出せなくなることで現れ、進行すると日常生活に影響を及ぼします。
心筋梗塞の症状は胸部中央や左側の強い痛み、息切れ、冷や汗、吐き気、肩や腕への放散痛です。痛みは数分から30分以上続き、安静時にも感じることがあります。心筋梗塞は緊急事態ですので、早急な治療が必要です。
原因
心不全の主な原因は、心筋梗塞・高血圧・心臓弁膜症・心筋症などです。これらの病気によって心筋が弱くなったり、硬くなったりし、心臓が血液を十分に送り出せなくなります。進行することで、心不全を引き起こします。
心筋梗塞は、冠動脈が動脈硬化や血栓で詰まることが原因です。これにより、心筋への酸素供給が途絶え、心筋が壊死します。動脈硬化には、高血圧や高コレステロール、喫煙、糖尿病が関与しています。
治療
心不全の治療は、薬物療法を中心に行われ、利尿薬やACE阻害薬、ベータ遮断薬で心臓の負担を軽減し、血液循環を改善します。生活習慣の改善や運動療法も大切です。重症時には、ペースメーカーや人工心臓、心臓移植が必要になることもあります。
心筋梗塞の治療は早期対応が重要です。血栓溶解薬や冠動脈インターベンション(PCI)で血流を回復し、その後、薬物療法で再発を防ぎます。再発予防には生活習慣の見直しが不可欠です。
予防と術後のケアについて
循環器系の病気を予防するために大切なのは減塩です。
当院では、患者さまやご家族とともに治療計画を立て、食事療法や体重コントロールの指導を行い、健康寿命を延ばすお手伝いをしています。
また、心不全の方には水分制限を指導し、心臓の負担を軽減します。健康診断では、必要に応じて心電図やエコーなどの検査を行います。循環器疾患の予防や早期発見・早期治療のために、ささいな症状でもお気軽にご相談ください。
実施している主な検査
超音波検査(エコー検査)
循環器内科では、超音波検査で心臓や血管の状態を詳しく調べます。
心エコーでは、心臓の形状や動き、弁の機能、血液の流れをリアルタイムで確認できます。
頸動脈エコーでは、動脈硬化や血栓の有無を調べることが可能です。
痛みが少なく、心不全や狭心症、不整脈の診断や治療方針の決定、早期発見や早期治療に役立つ検査です。
レントゲン検査
循環器内科では、レントゲン検査を用いて心臓や肺、血管の状態を確認します。胸部レントゲンでは、心臓の大きさや形、肺の異常、血液循環の状態を調べることができます。
例えば、心不全では心臓の拡大や肺のうっ血が映し出されることがあります。動脈や静脈の異常も確認でき、診断や治療計画に役立てられます。短時間で痛みがなく、重要な情報を得られる検査です。
血液検査
血液検査を通じて心臓や血管の状態を評価します。心筋梗塞では、心筋の損傷を示すトロポニンを測定します。動脈硬化や高血圧のリスク評価には、コレステロールや中性脂肪、血糖値の確認が重要です。
また、心不全では、心臓に負担がかかると増加するBNPやNT-proBNPを測定し、病態を把握します。
これらの検査は、病気の早期発見や治療方針の決定に役立ちます。
心電図検査
心電図検査では、心臓の電気的な活動を記録し、リズムや速さ、信号の伝わり方を調べます。これにより、不整脈や狭心症、心筋梗塞の診断が可能です。
検査は短時間で痛みもなく、心臓病の早期発見や経過観察に役立ちます。
また、携帯型のホルター心電計を装着し、日常生活を送りながら24時間の心電図を記録する方法もあります。
運動負荷心電図では、運動中の心臓の反応を確認することで、運動時に現れる症状の診断に有効です。
